訪問看護の勉強

【訪問看護の加算】特別管理加算について勉強しよう

今回は特別管理加算について勉強していきます。

訪問看護に就職したばかりの方に向けて加算の勉強をしていきます。

訪問看護師として勤務をしていると頻回に聞くことがある「特別管理加算」ですが、訪問看護に就職してすぐはどのような加算か分からないことが多いです。

特別管理加算は同じ名前で、医療保険と介護保険の両方にあります。

内容についてはほとんど同じですが、厳密には少しずつ違いがありますので、説明をしていきます。

特別管理加算とは

特別管理加算とは、「指定訪問看護に関し特別な管理を必要とする利用者に対して、指定訪問看護事業所が、指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合に加算を算定できる。」となっています。

簡単に言うと「特別な管理が必要な利用者に看護計画を立てて、管理をすれば算定できます」ということです。

特別な管理とは何かについて説明していきます。

特別な管理とは

特別な管理が必要な利用者とは、「別表8の各号に掲げる利用者」になります。

別表8の各号に掲げる利用者ついて書いておきます。

別表8の各号に掲げる利用者

  • 在宅悪性腫瘍等患者指導管理
  • 在宅気管切開患者指導管理
  • 気管カニューレの使用
  • 留置カテーテルの使用
  • 在宅自己腹膜灌流指導管理
  • 在宅血液透析指導管理
  • 在宅酸素療法指導管理
  • 在宅中心静脈栄養法指導管理
  • 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
  • 在宅自己導尿指導管理
  • 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
  • 在宅自己疼痛管理指導管理
  • 在宅肺高血圧症患者指導管理
  • 人工肛門、人工膀胱の設置
  • 真皮を越える褥瘡
  • 週3日以上の点滴注射
  • 在宅人工呼吸指導管理(医療保険のみ)

以上になります。

別表8の各号に掲げる利用者に関しては特別管理加算を算定することができますが、特別管理加算には、2種類あり、別表8の各号に掲げる利用者の中でも分けられていますので、どのようなに分けられているのかについて説明をしていきます。

特別管理加算には2種類ある

特別管理加算には2種類あります。

介護保険と医療保険での表現方法の違い

2種類は医療保険と介護保険で表現方法が違います。

介護保険では、「特別管理加算Ⅰ」、「特別管理加算Ⅱ」と表現されます。

医療保険では「特別な管理を必要とする利用者のうち重症度の高い者」、「特別な管理を必要とする者」と表現されています。

2種類の対象者

介護保険でも医療保険でも表現方法は違いますが、特別管理加算は2種類に分かれています。

介護保険:「特別管理加算Ⅰ」
医療保険:「特別な管理を必要とする利用者のうち重症度の高い者」

  • 在宅悪性腫瘍等患者指導管理
  • 在宅気管切開患者指導管理
  • 気管カニューレの使用
  • 留置カテーテルの使用

 

介護保険:「特別管理加算Ⅱ」
医療保険:「特別な管理を必要とする利用者」

  • 在宅自己腹膜灌流指導管理
  • 在宅血液透析指導管理
  • 在宅酸素療法指導管理
  • 在宅中心静脈栄養法指導管理
  • 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
  • 在宅自己導尿指導管理
  • 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
  • 在宅自己疼痛管理指導管理
  • 在宅肺高血圧症患者指導管理
  • 人工肛門、人工膀胱の設置
  • 真皮を越える褥瘡
  • 週3日以上の点滴注射
  • 在宅人口呼吸指導管理(医療保険のみ)

管理方法によって分けています。

介護保険と医療保険の加算金額

介護保険:特別管理加算Ⅰ  500単位(5,000円)
特別管理加算Ⅱ. 250単位(2,500円)

医療保険:特別な管理を必要とする利用者のうち重症度の高い者 5,000円
特別な管理を必要とする者             2,500円

特別管理加算については月に1回、月の初回訪問日に算定をします。

算定の注意点

特別管理加算を算定する上で何点か注意点がありますので説明をしていきます。

  • 特別管理加算は、2,500円と5,000円のどちらかしか算定ができません。
  • 複数の事業所が訪問看護を実施している場合でも、1人の利用者につき、1ヶ所の事業所しか算定できません。
  • 医療保険と介護保険の両方で訪問した月の場合は月の初めに訪問した保険での算定しかできません。
  • 介護保険における訪問看護の特別管理加算は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や看護小規模多機能型居宅介護の特別管理加算、医療保険における訪問看護の特別管理加算と同月に算定することはできません。
    (医療保険における訪問看護の特別管理加算も同様)
  • 算定には事前に事業所の届出が必要になります。

以上の注意点がありますので注意をしてください。

別表8の各号に掲げる利用者であっても訪問看護で全く管理をしてない場合や、訪問看護の管理で導尿を行っている場合などは同じ導尿でも自己導尿にならず、算定ができませんので注意をしてください。

医療保険については算定要件がありますので算定要件について説明をしていきます。

【特別管理加算】算定要件

介護保険と医療保険で特別管理加算を算定するときの算定要件について説明します。

介護保険の算定要件

  • 対象の利用者について訪問看護の実施に関する計画的な管理を行っていること
  • 利用者や居宅介護支援事業所が訪問看護事業所を選定する上で必要な情報として届出していること
  • 訪問の際、利用者の症状が重篤だった場合、速やかに医師による診療を受けることができるように支援すること
  • 「真皮を越える褥瘡」の利用者には、1週間に1回以上、褥瘡の状態の観察・アセスメント・評価を行い、褥瘡の発生部位と実施したケアを訪問看護記録書に記録すること
  • 「週3日以上の点滴注射」の利用者には、点滴注射が終了した場合、その他必要な場合、主治医に速やかに利用者の状態を報告し、点滴注射の実施内容を訪問看護記録書に記録すること

 

医療保険の算定要件

  • 24時間対応体制加算を算定できる体制、対応する職員・勤務体制、病状の変化、医療機器に係る取扱い等における医療機関等との密接な連携体制を整備していて、地方厚生局に届出していること
  • 訪問看護の実施に関する計画的な管理を行っていること
  • 訪問の際、利用者の症状が重篤だった場合、速やかに医師による診療を受けることができるように支援すること
  • 「真皮を越える褥瘡」の利用者には、1週間に1回以上、褥瘡の状態の観察・アセスメント・評価を行い、褥瘡の発生部位と実施したケアを訪問看護記録書に記録すること
  • 「在宅患者訪問点滴注射管理指導料の算定」の利用者には、点滴注射が終了した場合、その他必要な場合、主治医に速やかに利用者の状態を報告し、訪問看護記録書に在宅患者訪問点滴注射指示書を添付して点滴注射の実施内容を記録すること

まとめ

今回は特別管理加算について説明をしました。

訪問看護をしていると頻回に登場してくる特別管理加算ですが、意外と細かい決まりがあり、知らないことも多いです。

管理者でなければ細かいことまでは知らなくて良いと思うのでなく、可能であればしっかり知識として持っておく方が聞かれた時に自信を持って説明をすることができます。

加算の説明で使用されている言葉は難しい言い回しが多いですが、しっかり勉強していきましょう。

それでは今回もありがとうございました。