今回も訪問看護開設について書いていこうと思います。
訪問看護ステーションを開設する場合、できるだけ早い開設を目指すのか、1年先を目指すのかによって、準備することが違います。
私としては1年くらい前から計画をして開設する方が良いと考えています。
その理由は、私が訪問看護を開設したいと思ってから、約3ヶ月程度で開設してしまったため、準備不足を感じることが多かったからです。
私は、約5年くらい前に訪問看護ステーションを開設しました。
その時の経験をもとに開設までに1年間の余裕があるのであれば、経験しておいた方が良いことについて説明していきます。
1年間でやっておいた方が良いこと
- 他の訪問看護ステーションの見学、または研修
- 精神科訪問看護に行けるようになるための準備
- 開設前・開設後の営業書類の準備
- 資金計画作成と資金の準備
- 顧問税理士、顧問社会保険労務士の選定
- 近所の高齢者コミュニティーなどの情報収集
これくらいは準備しておいた方が良いと考えています。
その理由について説明をしていきます。
人によっては必要ないと感じるかもしれませんが、知っておいて損はないです。
ぜひ、読んで参考にしてください。
他の訪問看護ステーションの見学、または研修に行く
最近は、訪問看護ステーションがたくさん開設しています。
全国訪問看護事業協会の調べによると令和3年4月時点で全国に約13000事業所が稼働しているということです。
そのような状況の中、見学や研修を積極的に受け入れている訪問看護ステーションもたくさんあります。
見学は、新しい事業所と歴史のある事業所の両方へ行く
新しい事業所であれば、新規開設で困ることなどの情報収集ができます。
歴史のある事業所であれば、訪問看護を安定的に行う方法などを教えてもらえます。
また、そのような事業所の管理者さんと知り合いになれるのは今後のプラスになります。
可能であれば研修もさせてもらう
開設予定ということを伝えた上で研修をさせてもらうと、なお良いです。
訪問の内容や方法、訪問エリアの地域性やケアマネの特徴など色々聞けることはしっかり聞いて情報収集しておきましょう。
見学の時より、一緒にいる時間が長くなるので良い情報収集ができます。
もし、自分で見学や研修先が見つけれないようであれば、訪問看護連絡協議会が各地域にあるので、相談をしてみると親切に相談に乗ってくれます。
ここも、今度の事業を行っていく上で相談する機会も多いので相談できる関係を作っておくと後々助かることも多いです。
精神科訪問看護に行ける準備をしておく
精神疾患の方への訪問看護を精神科訪問看護指示書でいく場合には、精神科訪問看護基本療養費算定の届出が必要になります。
また、看護師の登録も必要で、精神科看護の経験が1年以上か、もしくは精神科訪問看護基本療養費算定要件研修を修了しておく必要があります。
特にはじめのうちは、できるだけ、幅広く訪問看護に行ける準備をしておくことが大切になりますので、どちらかの方法で精神科訪問看護に行ける準備をしておいてください。
私としては、やはり実際に看護をしておく方が訪問看護へ行って、利用者を前にしたときに落ち着いて対応できますし、色々な疾患を見ておく方が経験として良いので、病院などでの勤務をおすすめします。
開設前と開設後の営業書類の準備をしておく
看護師は営業をしたことがないのでイメージしづらいかもしれませんが、開設後は営業に行くようになります。
営業に向かない看護師については以前の記事で書いていますので興味があれば読んでみてください。
特に最初の営業は手ぶらでは行けませんので、何か営業書類を持っていくようになります。
その書類の作成をしっかり時間をかけて作成しておく方が良いです。
内容を簡単に書いておきます。
開設前の書類
- 開設年月日
- 開設事業者
- ステーション名
- 管理者
- 目的や目標など
開設後の書類
- 事業所番号
- ステーションの理念
- 対応できるエリア
- 対応できる処置
- 営業時間
- 訪問対応できる曜日と時間
- 算定できる加算
- 看護師の自己紹介
- 事業所のアピールポイント
大体このような内容になります。
営業書類をしっかり作っていると印象も違いますし、営業もしやすくなります。
なので、早めに作成し、しっかり確認して、満足のいくものを作成しておくことをおすすめします。
資金計画と資金の準備をしておく
他の訪問看護ステーションに見学に行き、研修をした時に必要物品などをしっかり確認した後は、その情報をもとにどれくらいの資金が必要か考えていきます。
資金計画は融資を受ける際にも必要になりますし、自分の準備する資金や、必要経費の目安になります。
実際、開設してみないとわからないこともありますが、思った以上に資金がかかることを想定して、予定より支出が多めの計画を立てておくことをおすすめします。
支出が予定より少ないことは問題ないですが、支出が予定より多く、さらに収入が予定より少ないと、かなり不安になります。
そうならないように余裕をもった資金計画と資金の準備をしておくようにしましょう。
顧問の税理士や社会保険労務士を探しておく
税理士は融資を受ける際にすごく力になってくれます。
私の場合、計画から開設まで時間がなかったこともあり、知り合いの紹介で税理士を決めたのですが、融資の際、数分話をしただけで金融機関の融資が決定されました。
また、資金計画などの作成も一緒に考えてくれますので、より良い資金計画を作成することができます。
資金計画がしっかりしていると、何もするにもスムーズにいきやすいので、税理士は少し早めにお願いできるよう準備しておいた方が良いです。
社会保険労務士に関しては、私はいまだに顧問をお願いしていません。
社会保険関係はそこまで難しくないので自分でできます。
厚生年金事務所に聞けば親切に教えてくれますので、社会保険の申請は困らないです。
おそらく、就業規則などの作成については社会保険労務士の力をかりた方が良いものができます。
しかし、従業員が10名以下であれば、労働基準監督署へ就業規則の提出は必要ないので、すぐにお願いしなくても大丈夫です。
ただ、訪問看護ステーション開設後にある、介護保険事業所への実地指導で就業規則の提出がありますので、結局は早めに作成が必要になります。
ちなみに就業規則は誰のためにあるのかについては以前にも書いていますの読んでみてください。
近所の高齢者コミュニティーなどの情報収集をする
訪問看護は人を相手にする仕事になります。
そのため、特に地域のコミュティーを大切にした方が良いです。
その中でも高齢者は訪問看護の対象になりやすいので、参加できるコミュニティーがあれば、早めに参加して、色々相談できる関係を作っておいてください。
高齢者は近所のことを本当によく知っています。
事業所を運営していく中で困ったときに相談すると助けてくれることが多いです。
今後、その地域で事業をするのであれば、その地域の高齢者と仲良くしておく方が良いです。
まとめ
今回は訪問看護ステーション開設までの1年間にやっておいた方が良いことについて、説明しました。
準備はしっかりしておく方が良いです。
私は短期間で準備して、なんとかなりましたが、はじめの営業はなんともお粗末な資料で行ったのを今でも覚えています。
はじめからできるだけしっかりしたものを準備することで、ケアマネやソーシャルワーカーの見る目も変わります。
開設時は、ただでさえよく分からない事業所という見られ方をします。
その上、お粗末な書類を持って営業に来ればイメージは最悪です。
私がはじめに苦労したのはそれが理由だったのかもしれません。
これから開設を目指すみなさんには私のような思いをしてもらいたくありません。
開設まで後悔のないようにしっかり準備をしてください。
それでは、今回もありがとうございました。