訪問看護の日常

訪問看護へ就職しない方が良い人の特徴

最近は、訪問看護事業所が増えてすね。

訪問看護への転職を考えている看護師も多いのでないかと思います。

私は訪問看護ステーションの管理者を約5年程しています。

私の会社にも何人かは就職をして、退職していった看護師がいます。

今回は訪問看護ステーションに向かない看護師について説明をしていきます。

なぜそのようなことについて書くのかと言いうとせっかく色々準備をして就職するのに、すぐにやめてしまってはお互い勿体無いからです。

採用する側としてもできれば長く働いてほしいと思って採用しますし、就職する看護師もできれば長く働きたいと思って就職するのではないかと思います。

そのような時に訪問看護に向かない人を事前に知っておくことによって、対策ができるからです。

ここで訪問看護に向かないと書いてあってもそれを参考に対策をして就職をしてもらえれば良いと思っていますので、読んでみてください。

 

私が考える訪問看護に向かない看護師としては

  • 利用者が言ったことを守れないことに不満を感じる
  • 綺麗好きで汚いところに入りたくない
  • 先生がいないと不安
  • 誰かの指示がないと看護できない
  • 何か目に見える改善がないとやりがいを感じれない
  • 自分い甘い人

 

これに自分が当てはまると思う人は訪問看護への就職を考え直すか、あらかじめ対策をしてから就職をすることが良いです。

それではそれぞれの理由について説明をしていきます。

 

言ったことを守ってもらえないことにイライラする

病院で勤務してきた方に多い傾向です。

病院は基本的には治療に来ています。

そのため、こちらの指導に対しては積極的です。

少なくても渋々でも守ってくれます。

それが嫌なら退院すれば良いからです。

病院で勤務していると「しなければならない」という思考を持ちやすいと考えています。

しかし在宅ではそうはいきません。

そもそも、在宅の利用者に訪問看護師が関われる時間は、1回が30分から60分程度。

しかも週に1回から2回がほとんどです。

 

この辺りは過去の記事で書いていますので興味があれば読んでみてください。

 

そのような短時間で週に数回しか訪問できない状況で、こちらがしてほしいことを一生懸命言っても無駄です。

それよりもその人がどのような生活をしたくて、その生活をするためにはどうすれば良いかを一緒に考えることが大切です。

無理やり本人が希望しないことをやらせようとしても嘘をついたり、訪問を拒否するようになったりします。

このように相手の生活の場に入って看護する訪問看護師は相手に合わせることができないとしんどくなります。

このような理由により言ったことを守ってくれないことにイライラする人は訪問看護には向かないです。

 

汚いお宅にも訪問しなければならない

この辺は訪問看護への就職を考えている方であれば、想定はしていると思います。

しかし、中には想像を絶するようなお宅もあります。

足の踏み場がないと言うのはまだ良い方で、靴下が真っ黒になるようなお宅もあります。

そのような家に入っていかないと看護はできません。

また、汚い上に動物を飼っているようなお宅もあります。

比較的動物を飼っている可能性は高いので、動物アレルギーのある方はしっかり対策を考えておくことをおすすめします。

私の事業所ではアレルギーでなくても動物嫌いな方もいます。

できるだけそのような職員はそのお宅にいかないように調整はしていますが、どうしてもの時には訪問をお願いするようになります。

このような方は就職する際にその辺についても、しっかり伝えておく方が良いです。

 

先生がいないと不安で看護ができない

高齢者施設などもそうですが、基本的には訪問看護は主治医の指示で訪問します。

しかし訪問看護の現場において、状況は常に変わっています。

訪問してみると昨日までの状況と違うということはよくあることです。

そのような時、病院であれば、すぐに先生に連絡して、先生に診察をしてもらって、指示をもらうようになりますが、在宅では先生はいません。

先生に連絡をしてもすぐに対応してもらえないこともあります。

そのようなとき、とりあえず、自分でできることを考えて対応しておかなければなりません。

そのような状況は年に何回かですし、先生がダメでも管理者などに連絡をすれば何か指示はもらえます。

しかし、そこには自分1人しかいません。

その状況に耐えれないであれば訪問看護に就職するのはもう少し自信がついてからでも良いのかもしれません。

 

誰かの指示がないと看護ができない

先ほどのケースは医療的なことについて書きました。

今回はケアについてです。

医療的な行為に関しては医師の指示が必要ですが、療養の世話に関しては看護師の判断である程度はできます。

訪問看護でのケアについては限りがありません。時間の制限はありますが、必要なケアは自分で見つけてどんどんしていくようになります。

しかし中には言われたことしかできない看護師もします。

髭が伸びて、口腔内が汚く、頭も汚れているような状況でも言われていないからという理由でそれをそのままにして帰ってくる看護師もいました。

その人を見て、できることをしない看護師は訪問には向いていないです。

同じ時間をダラダラと過ごしても、一生懸命看護しても同じ料金ではありますが、看護師として訪問しているのであれば、しっかりと自分の仕事をして帰ってきてくれる看護師が良いです。

 

何か目に見える改善や効果がないとやりがいを感じれない

訪問看護は在宅で生活をしている方に変わりなく生活をしていけるようにサポートするのも役割の一つです。

そのため、病院のように病気が良くなったので退院しますということではなくて、変わりなく生活できていることを評価することができます。

しかし変わりがないということは看護師として、効果が目に見えないのでやりがいを感じれないという方がいるかもしれません。

自宅で最後を迎える方を看ることも少なくありません。

そのような時にはその人がその人らしく生活できたことが評価できれば、訪問看護師としての仕事は全うできたのではないかと思います。

なので、その評価は感じるもので目にみえるものではありません。

看護師として目にみえる効果を感じたい方は急性期病棟などで勤務をした方が良いです。

 

自分に甘い人

最後にこれが1番大切だと思っています。

病院など多数で仕事をする場合は他の人の目があります。

しかし訪問看護は基本的に1人での看護になります。

そのため、上にも書いていますが、手を抜こうと思えばどこまでも抜けます。

それをどこまでその人のために看護できるのかは、自分との戦いになります。

自分に甘い人は「これくらいで良いわ」となります。

そのような気持ちになりやすいのであれば訪問看護ではなく、他の人の目のあるところで看護をする方が良いです。

その方がその人にとって楽です。

手を抜く人は必ず、他のところでトラブルとして出てきます。

それは関係者からかもしれませんし、家族かもしれません。

最近は盗聴器やカメラをつけているご家庭も少なくありません。

なのでどこにでもカメラがあるつもりで対応するようにしています。

これが今の時代に訪問して看護をするということです。

 

まとめ

以上が私の考える訪問看護に向かない人についてでした。

自分がしている仕事についてなので、他にも色々思うこともありますが、これが最低限知っておかないと訪問看護に就職してから困ることです。

訪問看護は看護の中でも特殊なジャンルに入ります。

選択肢は常に利用者本人にあります。

それをサポートするのが訪問看護師の役割です。

病院では考えられない看護になります。

しかし、自分の住みたい家である程度の希望を叶えながら生活している利用者を見ていると訪問看護は本当に素晴らしい仕事です。

これを見て、自分は無理と思っても対策を立てれば必ず方法はあると思いますので、ぜひ訪問看護に興味のある方は勇気を出して一歩を踏みだしてください。

それでは今回もありがとうございました。