訪問看護の日常

[男性看護師]訪問看護でも男性看護師の役割はあるから大丈夫

男性看護師の中には男性ということで利用者から女性看護師と違う対応を受けたことがあるのではないでしょうか。

そのような経験から転職を考えたとき、訪問看護で男性看護師が必要とされているのかについて不安感じることもあると思います。

私も病棟で看護していたときには特に若い女性の患者に対して苦手意識を持っていました。

訪問看護を開設したときにも女性の訪問は女性に行ってもらう方が良いと考え避けていました。今も苦手意識は変わりません。

それでも看護師としてなんとか女性の対応もできるようになりたいと色々考えましたが、結果、「身体ケアに関しては女性利用者の対応は女性がする方が良い。」という結論になりました。

訪問看護での男性看護師の役割は別にあると考えています。

 

私の事業所で男性看護師が対応しているケースについて書いてみます。

  • 異性にケアをされるのを嫌がる男性の利用者
  • 暴力行為がある場合(認知症や脱抑制など)
  • 男性の話なら聞いてくれる利用者
  • 刺激を避けた方が良い利用者

 

男性看護師であれば、ある程度イメージできるのではないでしょうか。

男性看護師が対応している理由について説明していきます。

男性看護師の訪問を希望している利用者の対応

何歳になっても異性に身体的ケアをされるということは羞恥心が伴います。

特にその羞恥心に関しては女性の方が強いです。

場合によっては介助や処置が必要なのに異性の看護師が来ることにより拒否する場合も少なくありません。

そのようなときには無理はできませんので、必要なケアができないということになります。

在宅で多いのが家族も嫌がるという場合です。

本人からの拒否はなくても家族が嫌がることは多いです。

夫や息子はお母さんが男性の看護師に下の世話をされているを見るのが嫌なようです。

その気持ちも分かります。

身体的ケアに関しては女性に男性が訪問するのはできるだけ控えた方が良いです。

女性の利用者に男性看護師が訪問する場合、年齢によっても反応が違うことがあります。若い男性看護師であれば、良くても、看護師の年齢が上がってくるに従って拒否が強くなるなということです。

これも当然です。自分の年齢に近くなればなるほど、その人にケアされるのが嫌という気持ちはわかります。

男性の利用者の中にも異性が嫌という方がいます。

女性に比べると少ない印象です。

異性が嫌という男性の利用者に対して、女性看護師のみのステーションでは対応に困ることになります。

男性は女性に比べて力が強いので拒否しているときに無理に対応すると手が出る方もいます。そのため無理して対応するのは危険です。

男性看護師がいるのであれば男性が対応しましょう。

男性が対応することにより落ち着いてケアできるのであればそれは男性看護師が活躍できているということになります。

暴力行為のある場合は男性看護師で対応

病院でもよくあることですが、手が出やすい方もいます。

手が出やすい理由も様々ですが、疾患が理由の場合もあります。

疾患が理由で手が出る場合に、ケアをしている人が怪我でもしたら、お互いにとって良くないです。手を出した方も場合によっては入院になることもあります。手を出された方も皮膚にも心にも傷を負うようになります。

男性看護師が相手の場合、手が出てこないことも多いです。身体が大きいと威圧感はありますが場合によっては暴力や暴言の抑制効果もあります。

手が出たとしても事前に情報があれば、考えながら対応することもできます。

注意点としては全ての男性がたくましいということはありませんので、対応できる男性看護師を選んであげてください。

一律で対応してもらうとなると男性看護師には酷です。

私も以前、動けない利用者の介助中、両手が塞がっている状態で暴力を受けたことがあります。幸い大事には至りませんでしたが場合によっては生涯消えない傷になる可能性もあります。

悪気はなかったのだと信じていますが、一時は関わらないようにしていました。

今思えば心に傷を負っていたのかもしれません。

致命傷になれば離職に繋がります。しっかり事前の対応と何かあったときにはケアをしてあげてください。

男性の話であれば聞いてくれる場合もある

よくあるのが今までの生活スタイルの影響です。

夫や息子など、男性に対する印象が良いと男性看護師の関わりの方がうまくいくことがあります。

兄弟の場合も同様です。お兄さんがすごく頼りになるとか、憧れているなどでも良い影響を及ぼすことがあります。

息子がいる女性の場合などは比較的男性看護師の受け入れが良いように感じます。

気をつけないといけないのは家族関係が悪い場合です。

逆効果になることもありますのでしっかり情報を収集してから対応しましょう。

刺激を避けた方が良い場合

日常生活であまり感じることがないかもしれませんが、人によっては異性との関わりが精神的な刺激になる場合があります。

異性からの刺激により精神状態が悪化し、入院などということになれば本末転倒です。

特に若い方は異性からの刺激に注意が必要です。

今までの夫婦関係や友人関係などで異性に対して強く対応してしまう方なども異性が関わることにより刺激になります。

事前の情報収集でそのような兆候がある場合にはとりあえず同性の看護師で対応するのが良いです。

同性で対応したい場合も男性看護師がいないことには対応できません。

職員の採用もすぐにはできませんので、選択肢を増やすという意味でも事前に採用を検討しておく方が良いです。

男性看護師の需要はどれくらいあるのか?

訪問看護での男性看護師の需要はあります。

ですが、女性に比べれば少ないです。

私の事業所でいうと、女性看護師5人に対して、男性看護師1人くらいで訪問件数が丁度良いです。

今まで上げてきたようなケースを担当するとそれだけで男性看護師の訪問数はいっぱいになります。

事業所の特性や地域性により違いはありますが、訪問看護では女性看護師と同じ程も男性看護師の需要はありません。

どちらかというとメインは女性看護師で、女性看護師で対応に困るところを男性看護師が引き受けるイメージで考えています。

近所に開設した事業所では男性看護師のみで訪問看護ステーションを開設しました。男性看護師の私としても興味があり、興味深く観察していたのですが、利用者が増えず、閉設しました。

ある程度予想はしていましたが、訪問看護における男性看護師の実態になります。

まとめ

訪問看護を行う上で選択肢を増やすということはとても大事になります。

看護師の年齢や性格など色々な看護師がいる方が良いです。

性別という選択肢もあった方が良いです。

選択肢が増えることにより、少しでも利用者が満足してもらえる看護をしてもらえることに繋がると考えています。

実際に男性看護師でないといけないというほどの希望をされる利用者は少数です。

訪問看護ステーションに男性看護師が所属しているケースはまだまだ多くないです。

せっかくなら男性看護師という貴重性を活かした方が良いです。

男性看護師がいることで事業所の特徴が増えるという可能性もあります。

ここまで色々言ってきましたが、訪問看護を行う上で女性とか男性とかはほんの一部かもしれません。

女性でも男性でも人として信頼できる看護師、又は頼りにできる看護師が結局は選ばれるます。

男性だからという理由で訪問看護を諦める必要はありませんので、興味のある方はぜひ訪問看護の門を叩いてみてください。

それでは今回もありがとうございました。