みなさんの看護師のイメージとはどのようなものでしょうか?
私がよく言われるのは、「3K」とか「9K」というものと「看護師さんは給料をたくさんもらってるでしょ」というものがあります。
私が就職した頃から言われていますので、かれこれ、20年以上は言われていることになります。
しかも、このイメージについては、看護師であれば、女性も男性も同じように言われているように感じます。
元々看護師は女性が多い仕事です。
そのため、元は女性の看護師に対してのイメージだったのではないかと思います。
しかし、最近は少しずつ男性の看護師も増えてきました。
とはいえ、平成30年の厚生労働省の報告によると男性看護師は全体の7.8%しかいないことがわかります。
92.2%は女性ということです。
今回は看護師歴20年以上の私が男性が看護師になるのはおすすめなのかについて考えていきます。
先に結論を言うと、男性が看護師になるのは「おすすめしない」です。
しかし、全男性におすすめしないということではなく、このような人にはおすすめしないという理由を説明していきます。
男性が仕事をする上で大切なものは何でしょうか?
- 収入
- やりがい・達成感
- 人間関係
- ワークライフバランス
- 安定
この辺りでしょうか。
それでは、男性が看護師になったら実際どうなのかについて説明をしていきます。
収入は多くない可能性もある
まず、仕事をする上で1番気になるのは、収入ではないでしょうか。
収入について言えば、看護師の全国平均年収は厚生労働省の令和2年の統計調査では、492万円になるそうです。
ちなみに1番年収の多い県は、青森県で541万円。
1番年収の低い県は、大分県で405万円になります。
全国の平均年収を見て、どう思いましたか?
看護師であれば、「こんなに高いの」と思う方もいれば、「こんなに低いの」と思う方もいると思いますが、私は圧倒的に「こんなに高いの」と思う方の方が多いと思っています。
どの平均年収を見てもそうですが、必ず平均を押し上げている方々がいます。
なので、実際の看護師の感覚とは大きなズレが生じている場合がほとんどです。
ちなみに私が暮らしている県は、下から数えた方が早いです。
そうなるとどうなるかというと、全国平均は年収の高い都道府県が平均を上げ、さらに、都道府県内の高所得者が都道府県内の平均を押し上げているということになります。
つまり、この平均年収は参考程度にしておいた方が良いです。
自分の年収と比べて、がっかりしないでください。
ちなみ、日本人の平均年収は430万円らしいです。
平均年収同士を比べれば、看護師の方が若干年収が高いように見えます。
看護師の手当について
看護師の給料には基本給と各種手当があります。
各種手当にはついては
- 皆勤手当
- 資格手当
- 危険手当
- 住宅手当
- 扶養手当
- 夜勤手当
このようにたくさんの手当があり、これは職場によって違います。
この中で、特に金額が大きいのは、夜勤手当です。
言葉の通り、夜勤をすることにより支給される手当になります。
看護師の夜勤はきついので、職場によって、結構な額を支給するところもあります。
何が言いたいのかというと、看護師は夜勤をしないと給料が安いということです。
そして、外来など夜勤がない職場や夜勤ができない方もたくさんいます。
その看護師がどれくらいの年収をもらっているのかについては容易に想像ができます。
みなさん、看護師で給料が高いのは、夜勤をしている方がほとんどです。
そこを勘違いしないようにしてください。
つまり、夜勤が苦手な人、または夜勤ができない環境を望んでいるのに、給料をしっかりもらいたい男性は収入面で看護師はおすすめしません。
ちなみに看護師の昇給については、公的な病院(市民病院など)や大きな大学病院などはしっかりあると思いますが、それ以外では、ほとんど昇給をしない病院や施設もありますので、昇給を期待するのであれば、それなりの規模の病院への就職が必要です。
やりがい・達成感は勤務する職場によって違う
看護という仕事は、他の仕事に比べると感謝される機会が多いように感じています。
「仕事で看護をしているのだから、そこまで感謝してもらわなくても」と思うくらい感謝されるがあります。
そういう意味ではすごく良い仕事だと感じます。
また、自分が担当している患者が元気になって、退院していく姿をみると「看護をやっていて良かった」と感じます。
この部分に関してはやりがいや達成感はあります。
しかし、看護をしていると同じように無力感もあります。
どんなに頑張っても亡くなる方もいます。
病状が悪化する方もいます。
八つ当たりされることもあります。
また、高齢者施設など、「変わらないこと」を目標にしている職場もあります。
悪化しないように現状を維持することが目標なので、目標を達成しても何も変化がありません。
ここに達成感を求めるのは至難の技です。
このようにやりがいや達成感を求めるのであれば、求めるものや目標によって、職場を選ぶ必要があります。
また、看護は目に見える形での成果は得にくいです。
営業のように成績が数字で出るわけでもありません。
その辺りを理解した上で、それでも看護をやりたいと思うのであれば、看護師を目指してみると良いです。
男性にとっては働きやすい人間関係でない場合が多い
看護師は女性の職場です。
そのため男性として、その職場に入る以上、かなり気を使うことになります。
全員ということではないのですが、やはり、性差というものがあるのではないかと感じます。
女性の特徴が前面に出ている職場ということになります。
詳しくは、自分で調べれば、女性の特徴として、たくさん出てくると思いますので、自分で調べてもらいたいのですが、男性にとって働きやすい職場かと言われればそうでもない場合もあると感じています。
また、男性も若いうちは、可愛がってもらえることも多いです。
特にベテランの看護師に可愛がってもらえれば、ラッキーです。
すごく仕事がやりやすくなります。
しかし、これも若いうちだけです。
中年男性になってくると、ベテラン女性看護師のサポートは無くなりますので、そこには注意をしてください。
私は、自分が中年から定年前になって、一般病棟で勤務している姿が想像できません。
もし、そのような年齢で勤務するなら、迷わず精神科病棟を選びます。
精神科病棟であれば、男性看護師が少しは多い可能性がありますし、年配男性看護師の役割がすごく大切だと感じているからです。
仕事は基本的には定年まであります。
女性ばかりの職場でおじさんになった自分がうまく立ち回りながら働けるかを考えてもらい、それができるのであれば、人間関係において、男性看護師を目指すことは良いと思います。
ワークライフバランスは取れていない
個人的には看護師という仕事はこのワークライフバランスは取れていないと感じています。
職場や個人差はあると思いますが、休みの日にも担当患者のことが気になったり、委員会の仕事などをしたり、ひどい時には、モニター(ドラマでよくあるピコン、ピコンと鳴るやつ)の音が耳から離れずにうなされたり、完全に仕事から気持ちが離れることがないです。
職場によっては、オンコールや待機などといって、休みではないような対応の時もありますし、手術室のような部署であれば、緊急で呼びだされることもあります。
上記のように看護師いう仕事は、職場での仕事もハードですが、仕事以外のところでも心労が絶えない仕事です。
そのような理由によりワークライフバランスは取れていないと感じています。
安定感は抜群
最後に安定についてですが、医療というものは誰にでも必要なものになります。
また収入源についても、自己負担はありますが、国が保険という制度を作っており、ほとんどの収入について、ほぼ間違いなく貰えます。
そのため、取引先が倒産したなど外部の影響も受けず、全ての国民が対象になるので職場が倒産するということもほとんどないです。
比較的、職を失いにくい職場です。
また、万が一、職場がどうかなったとしても看護師の就職先はいくらでもあります。
そのため、転職もし放題です。
その結果、退職率も上がっているのですが。
そういう意味では安定感は抜群です。
まとめ
以上が私が思う看護師の現状になります。
何個か良いところもありましたが、私はトータル的には男性に看護師をおすすめはしないです。
みなさんはどう思ったでしょうか。
これを読んでも看護師になりたいと思った男性の方は、看護師を目指したら良いです。
看護師という仕事は命に関わる仕事です。
そのため、看護師ならではの素晴らしい体験もたくさんあります。
私は本当に看護師という仕事を楽しんでやっています。
でも、家族の男性が看護師を目指すと言ったら、今回のような説明はします。
しかし、それでも看護師になりたいといえば止めません。
男性看護師が増えることは、看護業界の今後にはプラスになります。
ぜひ、これを読んでも看護師になりたいという男性がたくさんいることを願います。
それでは今回もありがとうございました。