みなさん成年後見制度というものを知っていますか?
成年後見制度。聞いたことあるけどあんまり知らないという方も多いのではないでしょうか。
私もケアマネ試験の時に少しだけ見たことがある言葉という感じだったのですが、在宅で看護をしていると後見人という人たちに出会うことが多いです。
ちなみに成年後見制度についてはこのように説明が書いてあります。
成年後見人等は、ご本人の生活・医療・介護・福祉など、身のまわりの事柄にも目を配りながらご本人を保護・支援します。
具体的には、ご本人の不動産や預貯金等の財産を管理したり、ご本人の希望や体の状態、生活の様子等を考慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、利用契約の締結や医療費の支払などを行ったりします引用:厚生労働省 成年後見人等の選任と役割
利用者本人を守るためにあるように思える成年後見制度ですが、実際私が関わっている利用者の後見人の中にはこの人は一体何のために後見人としてついているのだろうと考えてしまう人もいます。
認知症が社会問題になる昨今において、成年後見制度は必要な制度なのはよくわかっているのですが、明らかに質の低い後見人に対しては何か対策が必要なのではないかという問題提起になります。
私が見た後見人
- 利用者本人の意見より施設や関係者の意見を優先
- 本人が希望していることをさせず、貯蓄を増やす
- めんどくさい時にはすぐに入院や入所を勧める
- 利用者との面会が一年以上ない
- 自分が対応できないため受診を拒否する
どうですか。結構な「悪」ですよね。
数を増やすと同時に質の維持向上も必要です。
質の維持向上が不足していると感じるケースも多いです。
それではどのような状況で起きたことなのかについて説明していきます。
利用者本人の意見より施設や関係者の意見を優先する
本人の意見を聞かず、施設や関係者の意見ばかりを聞く後見人は多いです。
確かに関係者の意見を聞くことも大切ですが、1番は本人です。
最近「これって虐待なんじゃない」と感じることがありました。
その事例について紹介します。
その方は独居を希望していました。
しかし、身体的に一人暮らしは危険があると判断して、施設入所になった方です。
施設に入所しましたが、「入所した当時から食事の量がすごく少ない」とか、「外出をさせてもらえない」とか、「おやつを食べされてもらえない」など言われていました。
そして、みるみる痩せました。
流石にこれは、やばいんじゃないかと思い、関係者に相談をし、もちろん後見人にも相談しましたが、この後見人は一切動きませんでした。
結果、その施設はサ高住だったのですが、自分のグループのサービスのみに変更。外部の目が入らない状況にしました。
後見人もほとんど会えない状況になり、身体が自由に動かなくなっているそうです。
どうでしょうか。見方によっては虐待です。
私たち関係者もできることをしようと色々調べましたが、最終的には後見人が首を縦に振らず、何もできませんでした。
この状況を作った施設が1番悪いです。
しかし、全く何もしようとしなかった後見人も同罪です。
後に後見人と会うことがあり、利用者について確認をしたことがあるのですが、後見人は「動けなくなって良かったですね。介護がしやすくなりますよ。」と言ってました。
かなり腹が立ち、何か言い返そうかとも考えましたが、なんとか我慢しました。
その後も今回の施設は、同様の悪事を繰り返しています。
なぜ指導が入らないのか謎です。
県や市も把握していないことはないと思うのですが。
何か見えない力が働いているのかもしれません。
本人の希望していることをさせず、貯蓄を増やす謎の後見人
節約は大切です。
何かに備えるのも必要です。
節約を理由にして、本人が希望していることを断るばかりの後見人がいます。
節約理由について、確認をしても、納得のいく返答がありません。
ある日の担当者会議で貯蓄が増えたことを自慢げに説明し始めました。
関係者は皆、ポカ〜んとしています。
関係者がサービスを提供するために必要なものを買わず、それを各サービスが持ち出しで提供したりしているのに「この人は何をしてんだ。」と皆から大ブーイング。
今思い出しても腹が立ちます。
面倒になったらすぐに入所や入院を勧める後見人
夜間に救急搬送されたり、認知症などにより警察のお世話になったりすると後見人が対応するようになります。
はじめのうちは調子の良いことを言って対応しているのですが、それが何度も続いてくると、連絡があった際に明らかに嫌々オーラを出します。
後見人が対応しないと誰も対応できないような状況でも、来ることを断る後見人もいます。
役割が果たせないのであれば変更を申し出るべきです。
実際には後見人という役割は、一度なったらよっぽどのことがない限り変更にはならないのでしょう。
事情はわかりませんが変更になったケースに遭遇したことはありません。
どっちでも良いのですが、担当なら最後まできちんと仕事をしてほしいです。
普段、その状況をみているのはこちらです。
「たまに役割が回ってきた時にはきちんと仕事してください。」
関係者の気持ちです。
全く会いに来ない後見人
会いに来ない後見人は多いです。
高齢になって、ただでさえ、記憶力が低下しているのに、もう何年も会っていない後見人の顔は覚えていません。
ひどい人になると名前すら覚えていません。
会いに来ない後見人の言い分としては、「関係者から情報は聞いているので大丈夫です。」、「私が行ってもできることはないので。」、最近であれば、「コロナのこともありますので。」
確かにコロナ感染の心配は配慮は必要ですが、最低限必要なことはしなくてはいけません。
感染対策は会いに来なくて良い理由にはなりません。
自分が対応できない時の受診を拒否する
私 → 体調が少し悪いようなので受診をお願いしたいのですが。
後見人 → 今日は用事があるので無理です。
体調が悪いです。
もちろん都合があるとは思いますが今は受診が必要です。
そんなに頻回なことではないのでお願いします。
自分が無理であれば、変わりの人をお願いします。
受診が必要と判断したときに動かないといけない人が動けない。
これでは困ります。
まとめ
すごく熱心な後見人もいます。
正直、熱心な後見人さんには頭が下がります。
しかし、本当にひどい、本人のことを置き去りにしている後見人もいます。
後見人制度も、もしかしたら今後、変更が必要な制度なのかもしれません。
特に後見人制度が始まった頃に研修を受けている後見人は半日程度の研修で後見人ができるようになったと聞きます。
今はそれよりも長くなっているようですが、更新制にするとか、国家資格みたいにして厳重に管理しても良いです。
社会福祉士が余っており、介護職として勤務している社会福祉士も多いと聞きますので、この辺りの役割をもっと積極的に担ってもらってはどうでしょうか。
この後見人という役割は、お金も扱える、契約もできるなど利用者の権利に関わる重大な役割を担っています。
それであれば、きちんとした人がその役割を担えるように国も考えるべきです。
今回は役割を果たさない後見人について書きました。
可能であれば私もいつかは後見人のような役割を担ってみたいと考えています。
その時には、今まで見た「悪い後見人」を反面教師にして頑張っていきます。
それでは、今回もありがとうございました。