訪問看護の日常

訪問看護開設時の営業方法を教えます

訪問看護の開設を考えているけど、営業の方法がわからないと考えていませんか?

今回は、私が訪問看護ステーションを開設した時に行った営業方法について説明をします。

私も看護師として現場で働いていましたので、訪問看護ステーション開設までに営業の経験はありませんでした。

実際、訪問看護ステーション開設後に営業をする上でたくさんの苦労があり、試行錯誤しました。

まず営業をするときに決めなければいけないこととしては

  • 営業エリア
  • 営業資料
  • 営業場所
  • 営業内容
  • 営業頻度

以上があります。

 

これから説明する方法を行うことにより、私の事業所は初月から新規の依頼があり、4ヶ月後には黒字にすることができました。

それぞれについて具体的に説明をします。

 

訪問エリアと営業エリアは違うので営業エリアを決める

訪問看護事業所を開設時に運営規定を提出します。

その中には訪問エリアを記載するため、開設時にはある程度エリアが決まっています。

訪問エリアについて、勘違いしてはいけない点があります。

運営規定の訪問エリア外にも訪問はできます。

介護保険では運営規定で決めたエリア内は交通費の請求ができないという決まりがあります。しかし、エリア外に関しては交通費の請求をしても良いとなっています。

つまり訪問は可能です。

営業をするときに運営規定にあるエリアを考えながら実際に営業に行くエリアを決めていきます。

決め方はさまざまです。私の事業所の場合は田舎ということ、緊急時に対応できる範囲を考え、事業所から移動時間が30分程度の範囲にしました。

距離でいうと、半径10km〜15km程度です。

地域によって、この距離は違います。

営業エリアは訪問エリアより少し広めにしました。

これで営業エリアは決まりです。

訪問エリアと営業エリアをもとに営業資料を作成し、記録に残す

訪問看護事業所開設前には開設前の挨拶で営業します。

開設前と開設後では営業資料へ記載する内容が変わります。

 

開設前の書類

  • 開設年月日
  • 開設事業者
  • ステーション名
  • 管理者
  • 目的や目標など

 

開設後の書類

  •  事業所番号
  • ステーションの理念
  • 対応できるエリア
  • 対応できる処置
  • 営業時間
  • 訪問対応できる曜日と時間
  • 算定できる加算
  • 看護師の自己紹介
  • 事業所のアピールポイント

 

 

開設前の準備について以前の記事で書いていますので興味があれば読んでください。

 

資料がしっかりしていれば営業もしやすくなります。

営業資料はしっかり準備しておくことをおすすめします。

 

あとは営業時の記録をしていく用紙を作成しておくと良いです。

 

内容としては

  • 営業先(施設名、住所、連絡先)
  • 営業日、営業回数
  • 対応してくれた方の名前、職種
  • 会話の内容(質問内容や相手先の現在の状況など)

これくらいは記入して記録として残しておくと後々の資料として役に立ちます。

しっかり記録に残しておくことにより、6ヶ月後くらいには、営業先の利用者の状況や求めているサービスなどがみえてくるようになります。

もちろん名刺はファイリングして保存しておきましょう。

 

訪問するターゲットを決めて、営業先を決める

訪問エリアや営業エリアを決めるとき、一緒に事業所として、メインにしていく対象を決ます。依頼があれば、どのような方でも受けますが、メインにする対象をどこにしていくかによって営業先が変わります。

訪問看護であれば、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、医療機関の地域連携室は必須になります。

ターゲットによって違う営業先としては、精神科訪問ができるのであれば、地域生活支援センターや基幹相談支援センター、社会福祉協議会、作業所などの障害支援系の事業所に営業に行くと良いです。

小児を対象にするのであれば、支援学校や日中一時支援などへの営業も対象になります。

開設当初であれば、グループホームと訪問看護で連携することにより、医療連携体制加算をグループホームで算定することができるようになるので、事業所間で契約を行い、グループホームと契約することもあります。そのためグループホームも対象になります。

医療保険での訪問になれば、小規模多機能ホームやグループホームも訪問の対象になります。

 

医療保険で訪問看護を利用する条件については下記をどうぞ。

 

地域であれば、高齢者のコミュニティーへの参加もしました。事業所を紹介してもらったり、高齢者の相談に乗ることで訪問につながることもあります。

訪問するには事前に申請や実務経験が必要なケースもあります。事業所が訪問できる体制になっているかを確認しておきましょう。

営業先を調べるツールとしてWAM NETを使用しました。

事業所の種類や距離で簡単に検索ができますので営業先を探すときには使用してみてください。

 

営業内容や質問に対する返答については事前に考えておく

営業先で聞かれることは大体決まっています。

何度か営業に行っていればわかってくることですが、私の経験上よく聞かれることについてはまとめておきます。

  • 事業所として、得意な疾患やケースなどありますか?
  • 訪問エリアとしてはどれくらいですか?
    〜までは訪問できますか?
  • 加算は何がありますか?
  • 看護師は何人ですか?
  • 交通費は必要ですか?
  • 訪問は何時まで行けますか?
    夜間の定期訪問はできますか?
  • 土日祝日は対応できますか?
  • リハビリの対応はできますか?(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
  • 緊急時の対応はできますか?
  • 緊急時対応のエリアはどこまでになりますか?
  • 精神科は行けますか?(事前申請が必要)
  • 難病は行けますか?(公費の利用は事前申請が必要)
  • 生活保護の方への訪問はできますか?(事前申請が必要)
  • 小児は行けますか?
  • ゴミ屋敷なのですがどうですか?
  • ターミナルの経験はありますか?

よく聞かれる質問になります。

それぞれでどのような返答をするのかについては事前に検討してください。

「わかりません」は返答になっていませんので注意してください。

即答ができないのであれば、「検討して連絡します。」など即答できないときの返答も決めておくと良いです。

営業頻度を検討する

「訪問エリアと営業エリアをもとに営業資料を作成し、記録に残す」で書いた営業時の記録をもとに営業頻度の検討を行います。

初めの6ヶ月程度は毎月1回、営業に行くのが良いです。月に1回以上の営業はやめておきましょう。頻度を増やしても良い効果は得られません。

営業時期としては、毎月10日までは請求業務がありますので忙しいです。忙しい時期に営業に行ってもあまり相手にしてもらえません。営業は10日以降にしましょう。

反応が良かった営業先については6ヶ月以降も営業を続けていけば、結果につながる可能性が高いです。営業時の反応が明らかに悪い営業先については、少しずつ頻度を減らしたり、営業を空き状況のみの郵送やFAXなどに変更しても良いです。

訪問が少しずつ増えてくれば、報告書や計画書を主治医やケアマネ、障害支援員に提出するようになります。提出を郵送ではなく、直接持っていくようにするのが1番良い営業になります。利用者についての情報交換もできますし、顔を見て話をすることにより、相手の印象にも残ります。

 

まとめ

以上が私が訪問看護ステーション開設時に行っていた営業になります。

新規で訪問看護を開設した場合、何もせず、待っていても相手から利用者を紹介してくれることはありません。

こちらから積極的にアピールしていくことが必要です。

看護師は営業については素人です。

訪問看護ステーションを開設した人は皆はじめは苦労します。

私も分からないことだらで色々苦労しました。

今回は私の経験をもとに私が行った方法について紹介しました。

地域によって多少違うかもしれませんし、時期によってできることできないことがあります。

初めは恥ずかしい気持ちもありますがすぐに慣れます。

少しでも早く事業が安定し、軌道に乗ることを願っています。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

それでは今回もありがとうございました。