訪問看護の日常

主治医の指示を守らないという選択肢もあるという話

すごく久しぶりに書いています。
最近は忙しくてあまり更新ができなかったというのは嘘で、面倒くさくなって、放置していたというのが本音です。

ではなぜ今更書こうと思ったのかというと、年間契約が更新されてしまったから少し書いてみようと思ったくらいの感じです。

今までのようにきちんとしたことを書いていくと疲れるので、とりあえず自分の思ったことを書きます。

今回は在宅で生活をしている利用者は主治医の指示を守らないという選択肢もあるという話です。

病院に入院している間は主治医の指示は守ります。
病院に入院して、その指示を守れないのであれば「退院してください」ということになります。

在宅で生活をしている利用者は入院治療を受けているほどの制約がないので本人が守りたくない指示は守らないという選択肢をされる方もいます。

先生の指示を守らない利用者について考えていきます。

利用者が主治医の指示を守らない理由について考える

利用者が主治医の指示を守らない理由については人それぞれあります。

「理由はこれだ!」と言い切ることは難しいです。

高齢者の場合では、年齢的なことを理由にして、指示を守らないことが多いです。
この歳になってまで我慢できない、する気がないというものです。
それ以外であれば、「もう死んでも良い。」というものもあります。
若い人も含めてよく聞くこととしては、「タバコをやめるくらいなら死んだほうが良い。」「お酒をやめるくらいなら死んだほうが良い。」というものです。

実際にそれで死んで後悔しない人がどれくらいいるのかについては分かりませんが、その時点では嗜好品の誘惑の方が上回っているということです。

訪問看護を利用されている利用者の中にも主治医の指示を守らない利用者はいます。
これは守りたくても守れないというものではなくて、明らかに守る気がないという方です。

主治医の指示を守らないとどうなる?

在宅で日常生活を送っている利用者について言えば、すぐにどうこうなることは稀です。

しかし、医者は身体を診るのが専門で、その専門の先生が出した指示を守らないと状況が徐々に悪化していくことは考えられます。

時々、「医者の言うことを守らなかったが何も変わりはなかった。」と武勇伝のように語っている方がいますが、今を見ればそうかもしれませんが、少し長い目で見れば決してそうとも言い切れない結果になることがあります。

それでも指示を守らない選択肢を尊重したい

今まで書いたことを知った上で、主治医の指示を守らないという選択をした場合、それは尊重されるべきことだと考えています。

日本という国は、個人の尊厳を大切にする国だと思います。しかし、安楽死や尊厳死ということについては否定的で合法化されていません。
もちろん、指示を守らないことがそのまま死に直結するわけではありません。
あくまで可能性の話として、死に近づく可能性はあります。

在宅ではこのような選択をされる利用者が少なくありません。
医療従事者は人を敬い、尊厳を大切にするという教育を受けているため、このあたりの矛盾に悩むことが多いのではないでしょうか。

本日のまとめ

私は在宅の利用者と関わるようになってからこのような場に遭遇することが増えました。人それぞれ、状況は違います。看護師として、その選択を受けれ入れるのに時間がかかることもあります。
もちろん主治医との情報共有の中で意識を共有することもしています。

私は、本人の選択は尊重されるべきだと考えています。これからも色々な利用者の決定に関わっていきます。それをどこまで尊重し、その思いを共有して、それでも今の生活を継続していけるように自分にどのようなサポートができるのかについては考えていく必要があります。「本人が決めたから私は知らない。」「好きにすれば良い。」ということではあまりに無責任です。

看護師という仕事は本当に奥が深い仕事だとつくづく感じています。
これからも日々看護という仕事について考え、向き合っていきます。

本日久しぶりの更新になりますが、最後までありがとうございました。